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ムンクの「叫び」が東京都美術館にやってきた! 100点ほどの展示作品はオール・ムンク!

2018年11月16日更新

世界中で愛される、ムンクの最高傑作「叫び」が来日!
なんと唯一、目玉が描かれていないレア「叫び」!!

知らない人はほとんどいない、世界で最も有名な名画のひとつ、ムンクの「叫び」。「叫び」作品は複数枚描かれているのだが、今回東京都美術館にやってきたのは、その中でも重要な1枚で、唯一、目玉が描かれていないものなのだ。

あわせてこちらの「叫び」を所蔵する、ノルウェーのオスロ市ムンク美術館から、その他のムンク作品およそ100点ほどもやってきた。まさにオール・ムンクの展示というわけだ!
私達はこの展覧会でムンクの作品を鑑賞しながら、ムンクという画家の人生がどんなものだったのかを知ることになる…。

 

 

母も姉も早世。ムンクは小さい時から
家族との別れにやりきれない気持ちになっていた…!?

ムンクは、聖職者や歴史学者などを輩出する、ノルウェーの由緒ある家系のもとに、1863年に生まれた。しかし母親はムンクが5歳の時、他界。母の代わりに慕っていたと思われる姉のソフィエもまた、結核に掛かり15歳で亡くなる。子供時代のムンクの環境はけして穏やかではなかった。

《病める子》1896年。ムンクの姉ソフィエの死を題材とする作品。赤系と緑系。補色となる色で描かれているのも興味深い

 

 

この画家は上手いのか、下手なのか…?
ベルリンで大ブーイングが起きる!!

いつしか画家になることを目指し、援助を得て、パリやベルリンに修行に出るムンク。ベルリンでは個展を開催した際、その画風が誹謗中傷を浴び、1週間でクローズさせられたこともあったという。(当時は、今やポピュラーな印象派の絵画する浸透していなかった)

《月明かり、浜辺の接吻》1914年。愛し合う2人が溶け合って、ひとつになっていく様を感じさせる…

 

 

「叫び」は精神病院に妹を見舞に
行った帰りに見た赤い空を描いたものだった…!?

画家として成功するようになってからも、彼の心は幸福に身をゆだねることはあまりなかったのかもしれない。
実は「叫び」は、精神病院に入院中の妹の見舞に行った帰り、橋の上の空が赤く見えたことで、インスピレーションを得て描いた作品らしいと言われている。

《叫び》1910年? 100年以上前に、こんな突き抜けた表現で精神状況が描かれていたとは!

 

 

「私の芸術は、自己告白である」と
ムンクは呟いた

結婚を迫る恋人ともみ合い、銃が暴発して指を失うこともあった。その後アルコール依存を悪化させ、妄想や幻覚にも取り憑かれるようになる。なぜ望みもしないのに自分はこの世に生まれてしまったのか…?
ムンクは常に、過酷な状況に取り巻かれる自分自身と向き合い、絶望しながらも生きることを選び、生きることを画題に筆を取った。「私の芸術は、自己告白である」とムンクはスケッチブックに書き付けた。

《赤い蔦》1898-1900 年。ムンク作品に時折登場する、「目が点」の人物がここにも。それが意味するものは…。見る者の心に委ねられる

 

 

いつも自画像を描いていたムンクの
晩年の肖像画

1943年12月、ムンク80歳の時、付近の港で爆破があり、その衝撃で家の窓が破壊された。それが原因で気管支炎を患い、こじらせて一ヶ月後に、自宅にて誰にも看取られず亡くなった。画家として生きるためなのか、生涯結婚はしないと固く決意していたムンク。画家としては大きく成功していたが、ひとりでこの世を去るその時、彼の気持ちはどうだったのだろうか。
遺言により、「子供たち」と呼び愛して手元に残した作品全てが、オスロ市に寄贈されることとなった。

ムンクはたくさんの自画像を残している。今回の展示では、当時たいへん高価だったカメラを所持していたムンクが、自撮りした写真と共に、たくさんの自画像が見られる点もおもしろい。ここでは2枚紹介しておこう。

《地獄の自画像》1903年。戸外で裸になった自分を描いたムンク。顔は日焼けしているが、首から下は青白い。何枚かの写真をもとに描かれたものだそう

《自画像、時計とベッドの間》1940-43 年。晩年の作品。向かって左は柱時計。右はベッド。間もなくやってくる「死」を意味するのか…

 


「ムンク展ー共鳴する魂の叫び」
楽しいお土産グッズを買おう!

さて絵画鑑賞の際のもうひとつのお楽しみは、記念グッズを買うこと!
こんなものがあったよ!(こちらは2018年10月26日の状況です。売り切れている場合もあります)


ムンクスクリームドーム880円
オスロ ムンクミュージアム公認グッズ


ムンクのガラス瓶入りジャム各980円


「ムンク展ー共鳴する魂の叫び」
イベント情報はこちら!

「ムンク展ー共鳴する魂の叫び」
会場/東京都美術館 企画展示室
会期/会期中~2019年1月20日まで
休室日/月曜(ただし11月26日、12月10日、24日、1月14日は開室)、12月25日、1月15日、年末年始(12月31日、1月1日)
問い合わせ/03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト/https://munch2018.jp

 

取材/鈴木真理子

 


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