EVENT CULTURE

話題沸騰中! ブリューゲル「バベルの塔」展で、奇妙な絵画を見よう!

2017年9月2日更新

没後500年を経て、今世界中で人気白熱中の、オランダの画家ヒエロニムス・ボス!彼の作品の後継者でもあり、独自の世界を描いたブリューゲル。この2人の巨匠の作品が一緒になってついに来日!奇妙なモンスター達が描かれた作品もたっぷり登場、マニア垂涎の作品達が勢揃いしました!初めて見る人にだってもちろん、「絵画ってこんなに面白いんだ…」と思える、15-16世紀のネーデルラント(現在のオランダ&ベルギーなど)の美術作品を集めたこの展覧会、ケラっこなら行くべし!とくに「きもかわ」が好きな人は絶対見にいくべし!





15-16世紀のネーデルラントの美術作品って、何がすごいの?

皆さんがよく知っている絵の具「油絵の具」。これは実は、15世紀末にオランダ(ネーデルラントの一部)で生まれたのです。それまでは絵の具を板に定着させるために卵を使っていたため、塗った絵の具はすぐ乾いてしまいました。

しかし、油絵の具が生まれたことにより、乾く時間が長くなったため、色のグラデーションを見せたり、細密描写ができるようになったのです。

たとえばこの絵…、キリストのネックレス部分がとても細かくリアルに描かれているでしょう?

そしておりしも時代はルネサンス。キリストの顔は「神」というより、「フツウのおじさん」ぽく、リアルな人間として描かれました。皆さんご存知のように、イタリアで起こったルネサンス芸術は、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロの絵に見られるように「理想的な人間像」が描きだされていましたが…。ここオランダ含むネーデルラントでは「実際の人間像」が好まれ、描かれたのです。皮肉たっぷりですね!どうやら神のことを、ナメて掛かっている様子…でもそんなことは口に出してはまずいので、絵で表現したのかもしれません!

 

 

主役は「人」にあらず。「背景」かもしれません…!?

またこの時代のオランダ絵画の特徴として多く見られるのが、主役は人にあらず、人の囲む環境や風景を見るべし…という点です。こちらの絵は旧約聖書に出てくる1シーンですが、天使に導かれて逃げ出すロトが、右下にとっても小さく描かれています…って説明を受けないとわからないくらいですよね(笑)。

 

ヒエロニムス・ボス(1450年頃 – 1516年)とは、どういう人!?

そんなオランダで生まれた奇才の画家が、ヒエロニムス・ボス(1450年頃 – 1516年)。ボス自身がどういう人だったかなどは、現在ほとんど知ることができないのですが、ボス本人が描いたと言われる油絵は、全世界で約25点残っています。ボスが生きている頃から評価は高く、亡くなってもなお、彼の作品はたいへんな人気で、ボス風の絵がたくさん描かれました。

 

 

ありがたい聖画なのに、なぜ廃墟からモンスターが!?

そんなボスの作品はどんなものかというと…。たとえば、これ。ここで描かれているおじさんは、西欧キリスト教世界ではとてもポピュラーな「聖クリストフォロス」で、背中に乗っているのは「幼児キリスト」です。実はとてもありがたい絵なのですが、よーく目を凝らしてみると、向かって右には木に刺さった花瓶、そしてランタンを吊るす小人が。左には首を吊ったクマに、全裸で逃げ惑う人々、そしてモンスターが廃墟から顔を出しています…! あやしさと不安でいっぱいの絵です!why?って言いたくなりますね!

 

後ろ髪を引かれている、謎の放浪者の姿! 犬も警戒!

そしてこちらもボスの作品。ボロボロのパンツに、足もとは片方がブーツで、片方がスリッパ!この貧乏度満点の男に、犬まで警戒しています。そんな男のことは気にも留めず、家の脇で立ち小便する男性も…。かなりしょっぱい絵ですね。ちなみに後ろの建物は娼館で、扉の向こうでは男が女性の乳をまさぐっている様子が見受けられます…。

こんな不安や皮肉や不快感に満ちたボスの絵が、当時からものすごくもてはやされていたのです…!

 


「バベルの塔」を描いたブリューゲル1世って、こんな人!

さて、こちらはピーテル・ブリューゲル1世(1526~30年頃 – 1569年)。画家を志した彼に、画商が与えた仕事は、死後も大人気だったヒエロニムス・ボスの絵画を真似て、版画の下絵を描くことでした。ボスはものすごくシュールで奇妙なモチーフやモンスターの絵を残していたので、ブリューゲルはそれらをモチーフに、たくさんの版画の下絵を描いてお金を稼ぎました。

 

 

「バベルの塔」には1400人の人が描かれている…って!?

こちらはこのたびの展示のメイン作品! 旧約聖書に残された1シーンを、当時のオランダの風景に置き換え描いたものです。さてこの絵、サイズは59.9×74.6㎝ですが、人間が1400人ほど描かれているのです。塔の色が均一の煉瓦色でないのは、経年による変化を表しているから…、などなど、細部までこだわり抜いて描かれています。この作品はブリューゲルの、どうやら晩年に描かれたもののようです。どの作品もめっちゃ細かく描いているブリューゲルですが、この絵では根を詰めすぎたのでしょうか? ちなみに彼は39-44歳で亡くなっています。

 


「バベルの塔」展おみやげグッズ達!

「バベルの塔」展では、おみやげグッズもまた素晴らしいのです! とにかくデザインがいい! そしてプライスもお手頃…♥︎ そのごくごく一部をご紹介します!


モンスター・エッグスタンド
税込各¥550
ブリューゲルの絵画「大きな魚は小さな魚を食う」に登場するモンスターをプリント!その他のプリントも!

モンスター・バンダナ(2色)
税込各¥1,080
ブリューゲルの絵画から集めたモンスター達が勢揃い!

スノードーム
税込¥780
バベルの塔に粉雪が降ります…★



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ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展

大阪・国立国際美術館にて開催中。2017年10月15日まで
http://babel2017.jp/

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