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漫画『イノサン』『イノサンRouge』『孤高の人』 著者・坂本眞一インタビュー Season2 第2回 ー唇を描くのが、好きです。淫美な感じもして……。

2019年3月31日更新



フランス革命
を舞台に、パリの処刑人一家の生き様を描く
話題の漫画『イノサン』『イノサンRouge』(「グランドジャンプ」で連載中)。
息を飲む美しさと、目を覆いたくなるような残酷でショッキングなシーンと……!
この作品はいったいどう描かれているの……? 
著者・坂本眞一さんってどんな人…!?


『イノサンRouge』4巻より。

 

………前回のお話………

「男の肉体美を描くのが好き!」
「とくに三角筋が大好き!」と言う坂本さん。
今回は三角筋の他にも熱愛するボディパーツと、
「絵がうまくなる方法」を伺います……!

 

絵がうまくなる秘訣。それは
好きなパーツから描いていくこと!
そしてひたすら描くこと!!

ーー絵や漫画を描きたい人にアドバイスが欲しいのですが、どうやったら上手に描けるようになりますか?

坂本 ひとつ自分が好きなところ、たとえば女性の胸とかお尻とかでもいいと思う、そこをきれいに描いてあげると、他もきれいに描かないと際立たないので、うまくなっていくと思います。好きな箇所一カ所が決まれば、そこに引っ張られ、どんどんうまくいきます。興味がないものをやみくもに描こうとしても駄目ですね。好きなものがあって描くと画力は格段に上がっていきます。

ーー坂本さんは三角筋のおかげで、絵がうまくなっていったんですね(笑)。

坂本 三角筋、僕の大好物です。ここがうまく描ければ、その日一日気分がいいほど(笑)。

ーー唇にもこだわりがあるのではと。

坂本 唇、好きですねえ。なんとなく淫美な感じもして。人間の顔のパーツで一番生命を感じるのは、一般的には目だと思うんですけど、自分は唇かな、と思っていて。内臓に通じている感じがするんですよね。ホルモンとか、色気と関わってくる。唇には宝石みたいな輝きを感じるし、それが生命力も感じさせるんですね。だから僕は目と同様に唇に力を入れて描くんです。

『イノサンRouge』8巻より。
唇が物語る1ページ!

 

パソコンだから絵が簡単にうまくなる、なんてことはない
ひたすら納得できるまで線を引き続ける

坂本 そして後はもう描いていくしかないです。アナログからデジタルになっても、自分の手から発生する線は変わらないので、頭の中にあるイメージを腕を通してペンで伝えていく。納得できるまで一本一本引いてみつけていく。その作業だけですね。パソコンになったからって簡単に上手になるわけではないです。

ーー描く、という積み重ねが必要なんですね。

坂本 思ったイメージをスムーズに画面に描いていくのは、簡単にできることではないですから。なかなかイメージに届かない。時々もやが掛かったように見えなくなる瞬間もあるし。絶えず息を止めて、そこにあるものを捕らえにいくのだ、って感じです。一瞬でも気を抜くと捕まえられない、という緊張感があります。逃げていくタイミングがたくさんあるので、また集中しなおして…、とそんな感じです。

ーー緊張感がみなぎっていますね。

坂本 だから何にも邪魔されないように原稿に向かっていますね。スタッフと会話しながらできる過程もあるんですけど、ここぞという時は集中して、世界観を作って取り組んでいます。

ペン入れ途中。慎重に納得できる線を選んで引いていきます!

 

ーー音楽は掛けて仕事していますか?

坂本 ネームを考えている時は一切音楽は掛けませんが、ごく小さな音でラジオをつけておきます。なるべく落ち着く環境にしておきます。でももう原稿にペンを入れる時はラジオ、音楽、映画を流しながら漫画のヒントに繋がりそうなことを探して原稿を仕上げています。次のネタに繋がりそうなことを探しながら、今の原稿を仕上げています。ヴィジュアル系バンドの音楽もよく聴いていますよ!

ーーそうですか!最近登場した革命家サン-ジュストやロベスピエールなど、ヴィジュアル系バンドマンの香りがするなあ、と思っていました(笑)! お顔と衣装だけでなく、ヘアスタイルまでめちゃめちゃ格好いいです!

『イノサンRouge』9巻より。
実際美青年だったと言われている革命家にして
「死の天使長」と呼ばれたサン=ジュスト。
坂本さんの手に掛かって、より美しく♥︎

 

ーー次回は、実際に坂本さんの手元を拝見しつつ、現場のアトリエでどのように『イノサン』が生まれていくのかを見ていきます! 描かれていく漫画やイラストを描きたい人は必見!! 描かない人でも「なるほどー!」と感心するはず……♥︎ お楽しみに!

アトリエでお仕事中の坂本さんです!
ここから数々の名シーンが生まれているのです♥︎

 


坂本眞一(さかもと しんいち)
1972年大阪市生まれ、91年『キース!!』でデビュー。2010年『孤高の人』で第14回文化庁メディア芸術祭漫画部門最優秀賞受賞。2016年パリ・ルーブル美術館からの招致で「ルーブル美術館BDプロジェクト」に出展。現在は『イノサン』に続き「グランドジャンプ」で『イノサンrouge』を連載中。公式サイト(試し読み可)https://youngjump.jp/innocent/ 昨年末、Apple Booksから『坂本眞一 イノサン画集G』も出版、話題に!

●『イノサン』『イノサンRouge』舞台化!
詳細はこちらから!
https://jnapi.jp/stage/innocent/index.html



●坂本さんの漫画単行本たち!! まだ読んでいない人はここから試し読みを!
https://youngjump.jp/innocent/

『イノサン』1-9巻に続き、現在『イノサンrouge』最新刊の9巻まで発売中!(集英社発行)

 

●坂本さんの画集! デジタル版のみの展開です!

『坂本眞一 イノサン画集G』(Apple Books)

 

インタビュアー/鈴木真理子(すずき まりこ)
雑誌「KERA」「Gothic&Lolita Bible」「KERAマニアックス」の創刊編集長をつとめ、その後も「ETERNITA」「Miel」「tulle」などファッション雑誌の立ち上げを手伝う。原宿系ファッション、そして様々なカルチャーやアートが大好物!


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