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18世紀フランスの宮廷衣装から、最新グッチまで!「ドレス・コード?ー着る人たちのゲーム」展がついに 東京で開催!300点余の作品がズラリ…… (全2回)

2020年8月6日更新



第2回
服を着るには、思考が必要なの?
13の「?」を巡るエキシビジョン!

京都・熊本と巡回し、現在、東京オペラシティ アートギャラリーで開催されている「ドレス・コード? ―着る人たちのゲーム」展が、ファッションのみならず、アートやカルチャー好きの間で話題になっています。第2回となる今回は、この展覧会に足を運んだケラ!スタッフが、0から12のコードに分類して展示されているセクションを全通しで、駆け足で紹介!


1「高貴なふるまいをしなくてはならない?」
身分制度がはっきりしていた時代では、服装とはその人の社会的地位を示すものでもありました。18世紀のフランスの高貴な人が着用されたと思わしき衣装などのほか、刺繍を使って表現する現代美術家・青山悟の作品が。刺繍といっても可愛い手芸品や服ではありません。なんと、19世紀頃のイギリスの週刊誌の記事から服の部分だけを刺繍。さらにその服を着ているのは、現代の著名なひとのようです!こちらは歌姫ビョーク……!?

青山悟
《News From Nowhere (Bjork)》
2017年
©️Aoyama Satoru,courtesy of Mizuma Art Gallery


2「組織のルールを守らなければならない?」
会社に勤める人間のユニフォームとも言える、スーツ。没個性のようでありながら、ディテールの美しさや小さな差異で個性や個人をひそやかに主張するものです。ここではもはや着るためではなく、大胆な発想でデザインされたハイブランドのスーツも登場します。

(手前)
ヴィクター&ロルフ
/ヴィクター・ホスティン、
ロルフ・スノラン
スーツ
2003年秋冬
ドレス・コード?展 展示風景画像
撮影:忽那光一郎


3「働かざる者、着るべからず?」
私たちが日常着ることの多いデニムは、そもそも19世紀にアメリカの労働者が着用していたもの。ここではカッティングや装飾などに手を掛けたデニム生地を使ったドレスが展示されているほか、19世紀末~20世紀初頭の作業着の美しさを念頭に、時に「服育師」なる架空の職業名やキャラクターを生み、服をデザインするアシードンクラウドのルックとなるイラストやフラッグも展示。

アシードンクラウド
/玉井健太郎
イラスト:三宅瑠人
2013年春夏 
Lady’s maid


4「生き残りをかけて闘わなくてはならない?」
ここでは、第一次~第二次世界大戦の頃、軍服として作られた後、今やカジュアル服となったトレンチ(塹壕)コートと、カモフラージュ(迷彩柄による目眩し)服を紹介。各ブランドのエッジの効いたデザインで、ファッションとして昇華させられた様を見せつけられます。

Anrealage(森永邦彦)
2011年秋冬
©️ANREALAGE CO.,LTD


5「見極める目を持たねばならない?」
英語で「BRAND」は、「銘柄」の他「焼印」の意味もある。ここではブランドロゴが主張する服や、ブランドタグなどを紹介。90年ほど前に、いち早くブランドロゴをモノグラム(2つ以上の文字を組み合わせたもの)化したことで、世界一有名になったトランクも登場。ルイ・ヴィトンのこのトランク、実は偽物商品が出回るのを防ぐために、日本の家紋を見て思いついたデザインなのだとか。

(奥)
ルイ・ヴィトン
トランク
1929年
撮影:忽那光一郎


6「教養は身につけなくてはならない?」
美術鑑賞は教養を身に付ける手段のひとつ、と考えられています。その美術作品をプリントした服や小物を持つことは、ただ服を着ること以上に、着るひとの気持ちを満たしてくれるものになるといえるのかも? 1965年にイヴ・サンローランが発表したモンドリアン・ルックのドレスから、ダ・ヴィンチの『モナリザ』をジェフ・クーンズが精巧に再現したルイ・ヴィトンのバッグや、アルチンボルドの絵画をプリントしたコム デ ギャルソンのドレスなど、近年特に人気のあるアートに関連した作品を中心に紹介。

コム デ ギャルソン/川久保玲
ドレス
2018年春夏


7「服は意志を持って選ばなくてはならない?」
近年はSNSで社会的な主張や自己主張をし、そこから起きるムーブメントが注目されていますが、洋服だって昔から自己主張のために使われてきました。文字を入れたTシャツなど、よく見かけますよね。ここでは、20世紀初頭コルセットを着用することが通常だった西欧の女性に、コルセットなき服を提案し世の流れを一変させたシャネルが主役。彼女の名を世界に知らしめた通称シャネル・スーツを、様々なバリエーションで展開したステージが面白い。シャネル自身がデザインした初期タイプのものから、シャネルのデザイナーを勤めたカール・ラガーフェルドがデザインしたドレス、そしてシャネルではなくヴェトモンのデムナ・ヴァザリアがデザインした遊び心に溢れるスーツまで見比べることがきます。

ドレス・コード展 展示風景画像
撮影:惚那光一郎


8「他人の眼を気にしなければならない?」
写真で表現するオランダのアーティスト、ハンス・エイケルブーム。彼は25年間、世界のあちらこちらの都市で、街を行き交うひとを、相手に気づかれないよう、そっとスナップし続けた人。そして同じような物を持った人や着こなしの人を類型化し、《フォトノート》という作品名で発表。作品の説明は、撮影した日にちと時間、都市名だけ。あとは見る人の解釈におまかせ、ということのようですが、それぞれのスリーブの撮影時間が1~3時間だけ、というのにも驚かされます。

ハンス・エイケルブーム
《フォトノート1992-2019》より
2017年3月25日 13:00-16:00
オランダ・アーネム、ケーテル通りにて


9「大人の言うことを聞いてはいけない?」
ライダースジャケットや、タータンチェックなど、ロッカーやパンクスなどに愛された服、社会への反抗心を顕にする人たちの服や、日本のツッパリと呼ばれるひとたちのポートレートを展示。

アンダーカバー
/高橋盾
2001年秋冬


10「誰もがファッショナブルである?」
ワンブランドコーデでリッチに見せるのがお洒落な時代から、今は高いものとチープなものをミックスさせたり、相反するテイストのものを一緒にコーディネイトして、ファッションセンスを競い合う時代に? ヤンキース(アメリカの野球チーム)のロゴ+重厚な刺繍が施されたストラ(カトリック教会の司祭の肩掛け布)+昭和40年代の少女漫画『ビバ!バレーボール』のイラストなどなど聖と俗、新しいものと古いもの、東洋と西洋の文化などごちゃごちゃに混ぜつつ洗練された2018年のグッチのコーディネイトのほか、写真家・都築響一が捉えた、日本のアンダーグラウンドシーンに生きる、飛び抜けたファッション・ピープルなどの衝撃的なスナップも紹介。

(右から5体目)
グッチ/アレキサンドロ・ミケーレ
2018年秋冬

都築響一(選)《ニッポンの洋服》2019年より
《ゴム祭り》2018年ほか


11「ファッションは終わりのないゲームである?」
洋服は生まれてから死ぬまで、毎日服を着た人が何者であるかを示すもの? ここではエスカレーターを使用して途切れることなく続く、ヴェトモンのファッションショーの映像が流れるほか、劇団「マームとジプシー」によって作られた、架空のキャラクターが日々着ている服や大切にしているものなどを展示しています。

マームとジプシー
《ひびの、Ato Z》
2019年

ここでは《ひびの、Ato Z》のセリフが入ったAからZまでの可愛くデザインされた名刺サイズのカードがあり、好きなものをお土産にもらっていくことができます……!


12
与えよ、さらば与えられん

ラストは、一室まるごとを使っての、カーテンスクリーンやライトを前に現代美術作品を体感します……。

チェルフィッチュ
《The Fiction Over the Curtains》
2017-2018年


服の作り手(デザイナー)、着るひと(スナップされたひと)、そしてそのシーンを切り取るひと(カメラマン)、さらにこの展覧会の企画者の思惑が交差。バトンタッチしながら服をめぐる遊びと考察を楽しめるこの展覧会。
目から鱗が落ちることしきり、そして自分の人生の営みと服の間にも、時代を繋いでの関連性があったんだなあ、と新しく気が付くことがたくさん。ぜひ見に行ってみてください!


「ドレス・コード? ―着る人たちのゲーム」展 概要

※日時指定の予約制。予約はこちらから。
https://www.e-tix.jp/tocag/

期間/開催中― 8月30日[日]
会場 /東京オペラシティ アートギャラリー
開館時間 11:00―19:00(入場は18:30まで)
休館日 /月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月2日[日](全館休館日)
入場料 /一般1200円/大・高生800円/中学生以下無料
※同時開催「project N 79 糸川ゆりえ」の入場料を含む
※問い合わせ/℡03-5777-8600
HP/https://www.operacity.jp/ag/exh232/
主催/公益財団法人 東京オペラシティ文化財団、公益財団法人 京都服飾文化研究財団

取材・文/鈴木真理子


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