ENTERTAMENT

破壊と創造、そして絶望と希望の循環が 世界を新しくする   大森靖子

2017年8月16日更新

少女性の守護神、大森靖子さんが新曲をリリースする。

一瞬のスキもなく魂をゆさぶる今作で表現しているものとは!? 
大森さんにじっくりうかがってきました。

 

 

撮影●KAJII

※この企画に掲載している商品の価格はすべて税抜きです

 

新曲はとにかく曲としてカッコいい!
歌詞ははっきり言って難解です

―― ついこの間アルバム『kitixxxgaia』で取材させていただいたと思ったら(ケラ!5月号)早くもニューシングル「draw (A) drow」が8月30日にリリースされます。表題曲は作曲・編曲プロデュースが凛として時雨のTKさんが手掛けられているもの。今回ご一緒されているわけなどありましたら教えていただけますか?
大森靖子 流れです。流れとしか言いようがない(笑)。凛として時雨のドラムのピエール中野がうちのバンドでも叩いているので。
―― 曲が鳴り出してから圧倒的な情報量が流入してくる気がします。それぞれがうごめいている感じは、今流行りの表現で言うところの〝細胞レベル〟の刺激。そこらへんも大森さんと同時に時雨を感じます。曲が先でしたか? 歌詞が先でしたか?
大森靖子 曲が先です。時雨っぽい曲を書いてくださいってお願いしました。ドラムのリフとかも思いっきり時雨の曲にあるものを入れてくれました。こういうことって、自分のバンドだったら逆にできない。自分のバンドで自分のバンドっぽいことってできないじゃないですか。それを全部やって楽しんでくれたのかな。
―― 確かに。パブリックイメージの大森さんとパブリックイメージの凛として時雨をかけ合わせたように感じましたが、よく考えたらそれぞれの要素がぎゅぎゅ~と詰め込まれているような曲っておたがい存在しなかったんでしょうね。
大森靖子 そうそう。みんなが思う自分らしさを1曲に100出してしまったらそれでいいじゃんってなって、それ以上やる意味がなくなっちゃう。
ほかの人に曲を提供するときは「大森さんっぽい曲を作ってください」って言われたらOKってなるかもしれないけど、やっぱり自分が出していくものだと、新しいことをやらなきゃならない
というのがあるから。それはそうと、歌詞が難しくなかったですか? 日本語、いつもより多分難しいんですよ。
―― よく考えると難しいんですけど、とにかく刺激的でカッコイイ曲が、すごい勢いで体内に流入してくるのでそこまで考えていられませんでした。
大森靖子 今回の歌詞はみんながすぐに分かるものというわけじゃないです。曲がカッコよかったから、これくらい難しくしてもいいのかなって思って。
―― 海外のアーティストの曲を聴いているときに似ています。最初はカッコいいで聴いている。分かっているかどうかは問題じゃない。その後何回か聴いているうちに“ああ”っておちてくるものがあるというような。
大森靖子 そうかもしれない。私が書く歌詞はいつも情報量多めなんですが、TKさんは曲に忠実に歌詞を書いているというのが私の分析にはあるので、いつもの時雨の歌詞は情報量がそこまであるわけではないんです。私がつめちゃったからそうなってしまった。2つの個性が合わさった結果です。時雨の歌詞も分析していて、時雨らしい単語、接続詞、この濁点は使わないとか、そういったものと、私の曲によく出てくる単語をかけ合わせたら、意図が全然違うものになったりしたんですよね。そういう表現は入れてあるので、時雨のファンの方も、私のファンの方も、深堀りしても楽しめると思います。
―― 聴き重ねていくたびに、理解が深まる、長い間つきあえる曲っていうことですね。ライブで盛り上がって聴くもよし、1人でこもって聴くもよし…。
大森靖子 とにかくおもしろがって欲しいな。TKさんは根本的に私とは対極にいるんです。彼はレコーディングが絶対的に好きだし、私はライブが絶対的に好き。やりたいものも違うし…、でもおたがいのいいとこ取りができたのかな。TKさんは大先輩ですけど。―― 題名の「draw (A) drow」(ドロウ ァ ドロウ)はどんな意味があるのですか?
大森靖子 直訳すると「時雨を描く」。基本的に絵を描く気持ちで曲を書いているっていうのがあります。それから、逆から読んでも意味が通じるようにしたりなど、いろんな遊びをしている題名です。分かりにくい曲だから、分かりにくい題名でいいかなっていうノリでつけました。
―― drowに溺れるという意味もあるなど、題名も歌詞も深読みしていくとどこまでも深いところに行ってしまいそうですが、大森さん的に正解はあるのですか?
大森靖子 ぜんぜんないです。

 

聴き進めていくにつれ構築される世界を鮮烈な単語でぶち壊していく

 ―― 歌詞の方には、聴いているとハッとするというか、グサッてくる単語が出て来て印象的です。例えば最初の方に出てくる“幻虫”など。
大森靖子 調べたら“幻虫”っていうことばはないんですよ。今回作詞をしているときにずっと虫が見えていたんです。自分のコンプレックスとか怒りを歌詞に書こうと思っていたからかもしれないですが、ずっと虫が見えていたから入れた単語です。
―― 書こうと思われていた怒りやコンプレックスってどういうことでしょう?
大森靖子 1個のカルチャーが生まれるときって誰かの美しい発明だったり、芸術だったりから作られていくじゃないですか。でもそれが”おもしろい”って人が乗っかって来たときって、作った人は最先端の人だから、そのシーンからすでにいなくなっちゃっている。みんなは絶対的なものだって信じているのに。自分がいままで何に怒って生きて来たんだろう、何か違うって思う気持ちは何なんだろうって解きほどいていくとそういうことだなって思ったんです。いろんな思いを曲にしてきて、私がまた新しいひらめきとなり、新しいカルチャーになっていくってとらえている大森靖子のファンもいるし、そうじゃない人もいる。熱い芯のところは変わらないにしても、私もどんどん変わって、いろんなことをしていくし、私みたいな人が作ったものがぶち壊されていくことへの希望っていうのがあって、作っては壊して循環しないとダメだと思うんです。
―― せっかく作ったものが壊されることへの希望ですか?
大森靖子 そう。壊されるから新しいものが生まれる。なんでまた2017年がきても世界の正解が何もないのかって思うけど、そんなの正解なんて流動的だし変わっていくから「壊していいよ」って作った人がちゃんと言うのが美しいと思っているので、そういう結論の曲になりました。でもそんな説明ってわずらわしいじゃないですか。その曲がかっこいいから、音として聴いてもらえたら、楽しいんじゃないのかな。
―― 曲を聴く側から言えば、聴いていくとワールドができてきて、でも仕込まれている強い単語にワールドが引き裂かれて壊される、その繰り返しを体験している。
大森靖子 そうなっていくのが地球の生き方としての正解じゃないのかな。私はいつもそれを意識していてあまり一貫性は持たせないようにしています。気分は変わるものだから。自分だって、朝起きたときから夜寝るまで同じ気持ちでいるわけじゃない。その流れに忠実にしたいなって思っているから、どんどん循環していきたい。どんどんその瞬間みたいなものを曲に書いていきたい。そして壊していきたい。幻虫、黒いビニール…絵が浮かんで楽しいですね。
―― 重複しますが、それら鮮烈なイメージをもつ言葉が、曲を聴いていると次々とできあがっていく球体の世界をどんどんぶっ壊していく。
大森靖子 それが本当。サビで自分が描いた自分が次に自分を作っていくんです。どんどん世界が新しくなっていく。楽しいと思うんですけどね。

 

1曲の中でも、1年通じても破壊と創造の繰り返しこれが楽しい

―― 歌詞の“希望”ということばが気になります。

大森靖子 絶望と希望って一緒じゃないですか。
若い人とか、自分と向き合っている勢いのある人を見ていると思うんですね。“希望”って書いたけどどっちでもいいなと。
―― 絶望があるから希望がある、希望があるから絶望がある…。
大森靖子 絶望と希望が唯一作ったり壊したりできる起爆剤みたいになっているんです。壊せないから作れない。次が作れないと自分に飽きる。だけど自分に飽きなければ楽しい。そのためには、壊して次の部屋や、次のフィールドに行かなくては。
―― 絶望から作り上げたものを壊すけれど、壊すことは希望につながる…。前のアルバム『kitixxxgaia』では…
大森靖子 神の世界に行っていました。毎回その前のアルバムと真逆のものを作ります。前に作った世界と対峙して、それを壊してということをCDでもずっとやっているので。「大森靖子は神ですよ」って言っていたのを、今回は「私は私ですよ」っていうのをやってしまいました。
―― そういえばその前のリリース「オリオン座/YABATAN伝説」も2016年12月リリースと、ちょっと前の話で、ずっと間がなく作品を発表していますね。
大森靖子 間はないですよ。ずっとそうだと思って欲しいです。
―― 構築と破壊を1曲の中でも見せていただきましたけど、年間の活動もそういう感じなのですね。
大森靖子 そうですよ。それしか楽しいことはない。壊して作るのはめちゃくちゃ楽しいですからね。
―― だからこそエネルギーがあふれているんですね。大森さんを師として、心の友として、またそれ以上の存在として愛しているケラ!ッコにメッセージをお願いいたします。
大森靖子 ケラ!ッコさんたちは、基本自分をつらぬかれているから、自分しかないって思ったところが、自分じゃなくてもよかったって思った瞬間に挫折することもあるかと思います。だけど、そこをまったく気にせずに、自分が選んだものが自分に似合うものだということをしっかり思っていてください。

 

この衣装は縷縷夢兎の東佳苗さんがスタイリング。
ニットワンピースは縷縷夢兎、
スカートはMIKIO SAKABE、ZARA、
靴は大森さん私物

 

Information

 

ニューシングル「draw (A) drow」
avex trax
8月30日発売

【CD+DVD】
¥2500

 


【CD】
¥1000

 

ニューシングル「draw (A) drow」を8月30日に、ニューアルバム「MUTEKI」を9月27日にリリース。
11月3日秋田を皮切りに全15カ所を巡る「超歌手大森靖子MUTEKI弾語りツアー」の開催が決定! 詳細、そのほかの情報はHPをチェック!
HP●http://oomoriseiko.info/

 


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