現代の“ヴィジュアル系四天王” 2年の時を経て再び集結
2018年4月17日更新現代の“ヴィジュアル系四天王”の呼び声の高い己龍、R指定、vistlip、BugLug。その4バンドが集う一大イベント『均整を乱す抗うは四拍子』が、約2年半の時を経て再び行われた。3月30日に行われたツアーファイナル東京公演を、KERA STYLEにて濃密レポート。
2年半ぶり、2度の“四拍子”集結
2018年3月30日、新木場STUDIO COASTにて『均整を乱す抗うは四拍子』のツアーファイナル公演が行われた。
同イベントは、2015年にも一度行われている。
“現代のヴィジュアル系四天王”と呼び声の高い己龍・R指定・vistlip、BugLugの4バンドによる対バンライブは、当時から注目を集めていた。今回はその4バンドが再集結して、第2回目のツアー開催となった。
一拍子目・己龍
トップバッターは己龍。
己龍は“和製ホラー”“痛絶ノスタルジック”をテーマに活動しているヴィジュアル系バンドで、全国各地への巡業(ツアー)などで、1年のほとんどはライブを行っているというライブバンドだ。
『天照』や『朔宵』など、ライブで定番の曲たちで、客席をノせて行ったと思えば、『阿吽』のコールで会場全部を巻き込む。
対バンイベントのトップバッターは勢いと、会場を巻き込む技巧が必要だが、己龍はその点最高のパフォーマンスを見せたと言える。
黒崎眞弥(Vo)は「さまざまなバンドが解散していく中で、こうして2年越しで4バンドが集結できたことをうれしく思う。ここにいるファンの1人1人が集う場所をくれたんだ」と感謝の念をファンに伝えた。
己龍の曲は、初めての人はノリにくいのが弱点だ、と黒崎眞弥本人が言っていたが、『百鬼夜行』では己龍ファンが他バンドのファンを引っ張るシーンもあり、それぞれのファンが混ざり合って盛り上がっている会場の様子は、とても美しかった。
最後は『春時雨』でめいめいのバンドのタオルを回しまくり、会場の全てのファンを己龍の熱が引っ張り上げた形になった。
二拍子目・R指定
2バンド目はR指定。
“アイアムメンヘラ”をコンセプトとしたヴィジュアル系バンドで、若い世代を中心に絶大な人気を誇っている。特に、キャッチーな曲に乗った過激な歌詞やMVなどが、若者の心の代弁者として彼らをカリスマに押し上げている。
赤いお立ち台にヒラリと飛び乗ったマモ(Vo)が『愛國革命』を歌い出すと、客席が左右に大きくモッシュする。旭日旗を振り回してアジテーションするかのような『帝都に死す』では会場中のほぼ全員がジャンプ・ジャンプ。
マモの定番のセリフ「お兄ちゃんと呼べ!!」では、各バンドのファンから暖かい(?)お兄ちゃんコールも飛び出した。
3月に発売した新曲『規制虫』『-ZANGE-』などを立て続け、“最新のR指定”を見せつけたかと思えば、『病ンデル彼女』などのヒットナンバーで会場中を巻き込んでいく。
また、MCではマモからは「一聖お帰り! アイツのいないV系シーンはつまんなかったよ」と、2017年5月に事故からのステージ復帰を果たした一聖へのラブコールも。
出番の最後はバラードの『ソメイヨシノ』でしっとり終え、R指定らしさをしっかり残したステージになった。
三拍子目・vistlip
3バンド目はvistlip。
智(Vo)の透き通るような歌声と、耳に残るキャッチーな曲調で、独自の音楽世界を創り上げているヴィジュアル系バンド。さまざまなジャンルの音楽をミックスしたような音楽性を持っており、もともとのヴィジュアル系リスナーでない人にも聴きやすいのではないだろうか。
黄色い声援に迎えられてステージに現れたメンバーが位置に着き、『FIVE BARKIN ANIMALS』が始まると一気に空気がvistlipのものになる。
レーザーライトを使った派手な照明は世界観を加速し、『偽善MASTER』『MONOGRAM』など、vistlipらしさが全面に出た曲たちですぐさま客席を引き込んでくる。
新曲『Timer』ではバックモニターに曲の残分数が表示され、ピッタリ00:00になった瞬間に曲が終わる演出も。『GLOSTER IMAGE』などの曲で入る海(Gt)のガナりも、他のバンドとひと味違うところかもしれない。
最後はおそらく会場にいる人みんながノってしまうほどの、圧巻の『LION HEART』。彼らの世界観をしっかり提示したステージを展開した。
四拍子目・BugLug
ラストはBugLug。
このイベントのもともとの発案者であるところの一聖(Vo)率いる5人組ヴィジュアル系バンドだ(そういえばこのイベントの出演バンドは全て5人バンド)。聴きやすくポップな曲調に、勢いのある一聖のヴォーカル、そして安定感ある楽器隊――そこから繰り出される圧倒的パワーに溢れたライブ。つまり、ライブがBugLugの武器だと言える。
「最後まで残ってもらったからには、後悔はさせねぇ。オレらについてこい!!」と一聖の咆哮を聞いた客席が、全力のヘドバンで応対した『絶交悦楽論』からスタート。
『BUKIMI』でのごますりジャンプや『Mr.アリゲイター』でのおねだりタイムと、初見の他バンドファンでもうっかりノってしまいそうな楽しい振り付けを連発し、会場をグイグイ引っ張っていくBugLugファンたち。
BugLugの代表曲である『ギロチン』では会場中のほぼ全員の手を挙げさせ、『ENMA』ではヘドバン地獄を巻き起こす。
ラスト『猿』ではミラーボールの光を浴びて全員でモンキーダンス。BugLugの“楽しい”が全て詰まったようなステージだった。
会場中のアンコールを受けて、再び登場したBugLug。8月9日に行われる“BugLugフェス”および9月1日の日比谷野外大音楽堂ワンマンの告知をして会場を驚かせ、最後は『WGMM』でステージを締めくくった。
ラストは定番・全バンドセッション
そしてラストはこのイベントツアー恒例の、4バンド参加セッション。
4バンド総勢20名のメンバーがステージ上に登り切ると、さすがに混雑しているが(笑)、さすがに壮観だ。
セッションでは各バンドのヴォーカルがマイクパスしながら4バンドの曲をそれぞれ演奏したのだが、それぞれのメンバーの交流などもステージ上で見られて、ファンにとっては楽しい瞬間だったろう。
特にドラム隊はBugLugのラストソング演奏のあたりから、ドラムセットの周りに何やら建設し始めて(笑)、将海(Dr)が笑ってしまうようなシーンも見られた。
一聖が「毎日このメンバーに会えて、このツアーはすごく楽しかった」と言っていたが、バンド側にとってもファンにとっても、こうした交流がツアーの醍醐味だったのだろう。
セッション曲は、己龍から『アナザーサイド』、R指定から『波瀾万丈、椿唄』、vistlipから『SINDRA』、BugLugから『ギロチン』の4曲。この4バンドのファンなら、少なからず各バンドの曲を知っているだろう。
みんなが知っている曲を会場全員で歌うことが、楽しくて仕方ないといった感を、ステージ上からも客席からも感じた。
マモが「今ここが、V系シーンの中心だ!!」と宣言し、最後はステージと客席全員で集合写真を撮ってツアーの全行程は終了した。
2018年現在、“ヴィジュアル系”というシーン自体が少なからず盛り上がりに欠けると思っている人もいるかもしれない。
確かに「このV系バンドが売れている」みたいなものは、昔に比べたらなくなっているのかも知れない。
だが筆者は、この4バンドがV系シーンにいることに、希望を見いだしたいと思っている。そして、この“ヴィジュアル系四天王”がいずれもっと大きな波となって、シーン全体に一石を投じるだろうことを望んでいる。
『均整を乱す抗うは四拍子』というイベント名の通りに、いつまでも流れに抗い続ける四拍子が、また再び集結する場を楽しみに待っている。
【INFO】
▼己龍
己龍単独巡業「磑風舂雨」の千秋楽が、2018年4月28日(土)に東京・中野サンプラザにて行われる。http://www.kiryu-web.net/
▼R指定
5月5日(土)に『マモ生誕祭 命日〜五月人形と鯉幟〜』が、5月6日(日)には『マモ生誕後夜祭 命日〜五月雨に恋昇り〜』が、ともにZepp Tokyoにて行われる。http://www.r-shitei.net/
▼vistlip
絶賛、SUPER Good vibes CIRCUIT Ⅱ開催中!!
詳しくはHPにて。https://vistlip.com/
▼BugLug
3rd FULL ALBUM『KAI・TAI・SHIN・SHO』5月1日リリース。4/20(金)より、TOUR 2018 「ANIMANIA」がスタート。9/1(土)には日比谷野外大音楽堂も決定! http://buglug.jp/
取材・文●戸崎友莉/撮影●田辺佳子
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