19歳の時から今のまま! 原宿に住む81歳のイラストレーター 田村セツコINTERVIEW(全10回)
2019年7月21日更新原宿に住む、元祖ケラっこスタイル(!?)の田村セツコさん。実は昭和時代に大ブームを起こしたイラストレーターさんで、81歳の今も引く手あまたの売れっ子。原宿には今から40年前、お店などほぼなかった頃からお住まいなのだそう。服装や髪型は19歳からのまま変わらないそうで、お仕事で描かれる絵に大きな変化もない。自分の感性を信じるままに生きてきた、セツコさんのライフスタイルに迫るインタビューです!
第10回(最終回)
季節とか、冠婚葬祭とか関係ない!
いつでもこの服装で家にいるし
外に出掛けています!
皆さんも目にしたことがあるかもしれませんね?
書籍『おちゃめなふたご」の原画。
田村セツコさんの代表イラストの1枚。
2019年、原宿の絵本カフェ「SEE MORE GLASS」にて
インタビューが終了して、ほっと一息の田村セツコさん。
ーーセツコさんが、原宿に住み始めたのはいつからですか?
セツコ 40年くらい前かな? その前は渋谷に住んでいたのだけど、手狭になった時、名木田 恵子さん(『キャンディ・キャンディ』の原作者)に紹介してもらってここに引っ越しました。飾りがなく質素なマンションで、それがいいと思ったんです。
ーー引っ越してきたばかりの原宿は、どんな感じでした?
セツコ 何もなかったですね……。
ーー現在とは全然違っていたと聞いています。洋服屋さんだとMILKとか数軒があるくらい?
セツコ そうだったかもしれません。
ーーこのマンションで生活して、仕事して。1日はどうスタートさせていますか?
セツコ まず自分で作った祭壇前で鐘を鳴らし、家族や、漫画家の赤塚不二夫ちゃんなど、友達で先に亡くなった人達の名前を読み上げて声を掛けます。それからミニフライパンでお湯を沸かし、緑茶・コーヒー、紅茶を淹れます。
ーー一度にみっつも! そしてすごい小さなフライパンですね! どうしてこれでお湯を?
セツコ やかんを持っていないからなんです。
ーーなんと……。そして、みっつの飲み物を同時に作るのはなぜですか?
セツコ 猫舌なので、冷めてもいいんです。そして半日掛けてゆっくり飲むんです。
これがセツコ流モーニングドリンクセット。
今日のブランチ。お皿は知り合いからいただいた、MoMAのもの。センターに小さなおうちが!
ーーそしてお茶を淹れた後は……? 一人暮らしで、生活空間も仕事場も一緒だと、1日寝間着で終わってしまうとかはないんですか?
セツコ 誰とも会わない生活といっても、宅急便は来るしね。着替えと、それからヘア&メイクは自分を始める大切な儀式のひとつなので、毎日ちゃんとやっていますよ。ヘア&メイクという儀式を終えると、新しい1日が始まる感じがします!
ーー朝の女子力の発動タイムですね……!
セツコ でもメイクなんて3分以内!私にしてみたら絵を描くのと同じだから簡単なの。
ーーちゃんと髪にリボンも結んでいるんですよね?すごく可愛いリボンですが、どこで買ったんですか?
セツコ これはマンションのサービスルームっていう、不要品を投げ入れておく共有部屋で見つけた、未使用のバッグについていたリボンなんです。リボンだけ外してもらってきたの(笑)。
ーーなんと。そしてセツコさんご本人の格好は、原宿ストリート系のように思えますが……。いつからこういう格好をされているんですか?
セツコ この格好? 原宿に住み始めた40年前よりずっと前。銀行をやめてからです。皆と一緒に旅行行く時もこうだから「臨場感がない」「セツコさんだけ原宿にいるみたい」って言われる。基本は黒、白。だから冠婚葬祭もこれで行けて便利なんです。
ーーええ!? これでお葬式も?
セツコ 行きます! そして季節も関係ないです。年中一緒です。時々チェックも合わせます! 服はいくつかありますけど、ほとんど変わりはありません。
ーーではでは、今日着ているものをどこで買ったかなど教えてください!
ブラウス
これはサンリオの担当の女のひとが着てたものなの。「そのブラウス、いいわね」って誉めたら、次に会う時に、畳んでもってきてくださったの。白いブラウスはたくさん持ってる。冬でも半袖で、コットン地で、パフスリーブが基本。パフスリーブは、元気がないとき、元気にしてくれるんです。洗濯は、洗濯機が大昔に壊れたので、手洗いしています。お風呂に入る時にね(笑)。
チョーカー
破れたストッキングを切って、パールを縫い付けています!ストッキングやタイツはすごく使い道があって、じょきじょき切ってふくらはぎや肘のサポーターにするの。体温調節にすごくいいです!
タンクトップ
差し色のために着用。水瓶座の私にとって、青は私のラッキーカラーなの。
ベスト
青山を歩いている時に見つけた古着屋さんで購入。男もの。おじさんスタイルが大好きだし、いっぱいポケットがついているのが気に入りました。胸元には缶バッジを、内側にはレースのポケットを縫い付けています。
インナー(黒)
ちょっと切って縫って、指が出るようにしました。
オーバースカート(リボンの飾りのあるもの)
拾ったコウモリ傘の骨を抜いて作りました。
スカート
ふつうのスカートにゴム入れてバルーンにしてたら、気の毒に思った人が作ってくれたの。大好きなCOMME des GARCONS風です。バルーン型は楽で大好きです。
カバン
愛用しているカバン達はこちら! 動物顔ものの中に、ぽつんとPRADAも……♥︎
靴は
2000円で買った靴に、自分でTOKIO KUMAGAI風にペイント。何足も作りました。
ーーほとんどがいただきものか、カスタムですね。
セツコ パリコレの情報とか楽しく見ますけれど、高いから結局自分で作るんです。作るのは楽しいし、そもそも私は質素で使い古したものが好きなんです。亡くなった妹のブラウスも着ていますよ。何度も洗って乾かした風合いがなんともいえなくて。父の残した上着にわざと継ぎを当てたりも。そういうのって粋だと思っているの。
ーー手を加えるのが楽しいんですね?
セツコ そうです! できあがったものを買うだけなのとは大違いです!お金さえあれば可愛くなれるとかじゃないの。
ーーこちらは、セツコさんが体が不自由になられたお母様の面倒をみていた際、お母様に持たせていたという「ピーター」という名のポシェット。お母様は最初いやがっていたそうですが、皆に「可愛い」と言われてまんざらでもなくなってきたそうなのです。セツコさん自身もよく、恐竜など、可愛い形のリュックを背負っているんですよ……!
恐竜バッグちゃんと
ずっと少女のままでい続ける、でも本人はただ自分の「好き」を貫いているだけのセツコさん。
ケラっこ、そしてロリータの私達の大先輩です……♥︎
セツコさんも、私達も。ずっと自分のままでいてください♥︎
田村セツコ(たむら せつこ)
イラストレーター、エッセイスト。
1938年2月4日、東京生まれ、B型。高校卒業後、銀行の秘書として働きながらイラストレーターに。1960年代に雑誌「りぼん」「なかよし」のおしゃれ提案ページで活躍、70年代には多くの文具や雑貨の会社と契約、セツコグッズは大ブームになった。サンリオ「いちご新聞」では創刊の75年から現在までイラストエッセイを連載。80年代は『おちゃめなふたご』など名作シリーズの挿し絵を描き、今も続くロングセラーに。田村セツコオフィシャルブログでは、アリスみたいに奔放に毎日を好奇心いっぱいで飛び回るセツコさんの姿が見られます!https://ameblo.jp/setsuko-tamura/
ーーセツコさんの著書ーー
『田村セツコ HAPPYをつむぐイラストレーター』河出書房新社刊、内田静江編、1,600円
『孤独をたのしむ本 100のわたしの方法』興陽館刊、田村セツコ著、1,388円
ーーセツコさんの個展ーー
現在、とちぎ蔵の街美術館で田村セツコ展開催中です!8月4日(日)まで、セツコさんと縁がある栃木市のとちぎ蔵の街美術館で、初期の貴重な作品から最新作まで、セツコさんの長きにわたる幅広い活動を紹介しています! イラスト原画、油彩、コラージュ、グッズ類など、多彩な作品を通じて、ハッピーな気持ちになれる展覧会です。
会期/2019年4月27日(土)~8月4日(日)
開館時間/午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日/毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料/一般(高校生以上)500円(300円)、中学生以下は無料
()内は20名以上の団体割引料金
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介護者1名は無料
主催/栃木市、栃木市教育委員会、とちぎ蔵の街美術館
後援/朝日新聞宇都宮総局、産経新聞社宇都宮支局、下野新聞社、東京新聞宇都宮支局、毎日新聞宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局、株式会社エフエム栃木、栃木ケーブルテレビ、株式会社とちぎテレビ、株式会社栃木放送
問合せ先/とちぎ蔵の街美術館
〒328-0015 栃木県栃木市万町3番23号
TEL:0282-20-8228 FAX:0282-20-8227
E-mail: k-museum@city.tochigi.lg.jp
ホームページアドレス
https://www.city.tochigi.lg.jp/site/museum/
ーーセツコさんが講師をつとめる講座ーー
★「ようこそ!セツコの部屋へ」
毎月1回開催
東京・西武百貨店池袋本店・別館8・9階 池袋コミュニティ・カレッジ
☎︎03・5949・5486(代表)
https://cul.7cn.co.jp/programs/program_707164.html
協力★弥生美術館・とちぎ蔵の街美術館
取材・文★鈴木真理子
写真★三橋利江、鈴木真理子
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