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漫画『イノサン』『イノサンRouge』『孤高の人』 著者・坂本眞一インタビュー Season2 第6回 ーこれからの坂本眞一は、どうなるのか?ー

2019年4月28日更新


『イノサンRouge』9巻より

 

めまぐるしく次々に展開される予想外、驚愕のシーン達
そして……残酷なのに、美しすぎる登場人物達♥︎
圧倒的な画力と美的センスで、唯一無二の作品を作り上げる
坂本眞一さんに『イノサン』『イノサンRouge』を通してインタビュー!


坂本さんのパソコンにはふせんがいっぱい……!
画像は、『イノサン』取材のため
パリに赴いた時の坂本さんと、当時の編集担当氏。
モンマルトルのサンソン家の墓の前にて。

 

ーー前回のお話ーー
前回は、今や完全デジタルで作品を描く坂本さんが、
ペンを持つ際心がけていることと、
最後に描いた紙の原稿を見せてもらいました!
今回は漫画家としての自信
そして将来に関してお話を伺います!

 


この世は「光」「影」「色」でできている
だから「線」はいらない…!?

ーー今や漫画家として日本トップクラスの画力があるという自覚はありますか?

坂本 いやいやいや、線一本一本にしても納得できないです、まだ。線で描くことすら止めたいと思う瞬間もあるくらいだし。だってこの世に線なんてないじゃないですか(笑)。光と影と色でこの世はできていると考えたら、漫画の線っていうもの自体へんじゃないかって思って。ちょっと消す作業に入ってぼかしてみたりとか…(笑)。

ーー(笑)。どこまでも追求されているんですね。

坂本 でもまだ納得できないですね。どうすればいいのか…。そこは机に向かっていくしかないんですけど…。
でもとにかく絵だけが好きだし、他のことは何もできないので、描き続けるしかないです。

 

この先の坂本眞一は予想できない
本人にもわからないのだから

ーー坂本さんが天才だからこそ、高みを目指して、いつまでも満足することができないと受け止めました。さて、この先の坂本先生は…?

坂本 「次はどうしますか?」ともよく聞かれるんですけど、僕、もう考えるのやめたんです。だって今いる僕の自分の状況ですら、数年前は想像もできなかったので。かつて僕が思い描いた世界とは全く違うところにいるんですから。これは考えてももう仕方ないな、未来は読めないって。

ーーかつてどんな自分を想像されていたんですか?

坂本 うーん、「少年ジャンプ」で連載作品を描いていて、すごい作家になっているのかと(苦笑)。子供のステレオタイプの夢で、まるで現実味がなかったんです。

ーーそんな…。今は少年誌ではなく、青年向けの漫画雑誌ですけど連載されていて、ルーブル美術館からオファーを受けて出品したり、文化庁から賞をもらうほどですよ?

ルーブル美術館に出品した作品達。『イノサンLouvre 』

 

坂本 そう。そんな状況すら、想像できませんでしたから。今こうやってKERA styleさんや、いろんな方に会って、なんていう今の自分の姿も。だからこれからもいいことも悪いことも、想像できないことが起きるでしょうし、起きるにまかせて、それを楽しんでいくようにしたいと思っているんです。

でも18歳での上京後、僕がした仕事といったら、アシスタントと自分の漫画を描くことだけ。この仕事を辞めてもつぶしなんてききません(笑)。それにとにかく絵を描くことだけが好きなんです。他にはどこにも行かないです。とにかく目の前にある、今やらなければいけないことを、ひとつひとつ丁寧にやっていけば、どこかに繋がっていくのかなって思っています。

ーー未来は考えない?

坂本 未来は考えません。ただひたすら漫画を描くだけです。

ー一この先を考えることなく、漫画だけを描いていく、とだけ決めて腰を据えて画業に精進する坂本さん。常に自分の頭の中にあるイメージを求め、現在の自分の作品に満足することもない。1作ごとに表現方法が変わり、巻を重ねることにますます画力が上がっていっています。この後どうなってしまうのか頂上知らずで、こわいほどです!!

インタビュー中にペン入れが
進められていたコマのひとつ。
「マリーは
自分にしかできない仕事しかしない」
まさに坂本さんの決意のように受け止められます……!


ーー嬉しいお知らせ 1ーー
坂本さんへのインタビュー6回はこれにて終了いたしますが、
次回は特別に、『イノサンRouge』の主役ともいうべき、
マリー・サンソンの名言を集めてアップします!
美しいお顔としびれる台詞が、次々に繰り出されますよ~!!
絶対見逃さないでね!!

『イノサン』8巻より

 

 


坂本眞一(さかもと しんいち)
1972年大阪市生まれ、91年『キース!!』でデビュー。2010年『孤高の人』で第14回文化庁メディア芸術祭漫画部門最優秀賞受賞。2016年パリ・ルーブル美術館からの招致で「ルーブル美術館BDプロジェクト」に出展。現在は『イノサン』に続き「グランドジャンプ」で『イノサンrouge』を連載中。公式サイト(試し読み可)https://youngjump.jp/innocent/ 昨年末、Apple Booksから『坂本眞一 イノサン画集G』も出版、話題に!

●『イノサン』『イノサンRouge』舞台化!
詳細はこちらから!
https://jnapi.jp/stage/innocent/index.html



●坂本さんの漫画単行本たち!! まだ読んでいない人はここから試し読みを!
https://youngjump.jp/innocent/

『イノサン』1-9巻に続き、現在『イノサンrouge』最新刊の9巻まで発売中!(集英社発行)

 

●坂本さんの画集! デジタル版のみの展開です!

『坂本眞一 イノサン画集G』(Apple Books)

 

インタビュアー/鈴木真理子(すずき まりこ)
雑誌「KERA」「Gothic&Lolita Bible」「KERAマニアックス」の創刊編集長をつとめ、その後も「ETERNITA」「Miel」「tulle」などファッション雑誌の立ち上げを手伝う。原宿系ファッション、そして様々なカルチャーやアートが大好物!

 


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